年齢:募集・採用での年齢制限は原則禁止

厚生労働省は、労働施策総合推進法(旧:雇用対策法)により、平成19年の法改正で募集・採用における年齢制限の禁止が義務化されたと説明しています。年齢を理由に応募を断ることや、書類選考・面接で年齢を基準に採否を判断することが対象で、求人票を「年齢不問」としていても実際にそうした扱いをすれば法の規定に反するとしています。例外として年齢制限が認められる場合があり、その内容は厚生労働省のパンフレットとQ&Aで確認するよう案内されています。

性別:男女で異なる取扱いをしない

静岡労働局の男女雇用機会均等法Q&Aは、均等法第5条が雇用機会の付与、募集・採用条件、求人情報の提供、採用選考、採用決定などのすべての段階で男女異なる取扱いをしないことを求めていると説明しています。また、募集の対象を女性(男性)のみとすることは均等法に違反するとし、性別ではなく「仕事の内容」「求める能力・適性」「労働条件」などをはっきり示して募集するよう求めています。

ただし例外として、均等法第8条は、男女労働者間に事実上生じている格差を解消する目的で行う女性のみを対象とした取扱いや女性を優遇する取扱いは違法でない旨を定めています(ポジティブ・アクション)。厚生労働省の指針は、女性労働者が男性労働者と比較して相当程度少ない雇用管理区分や役職の募集・採用で、情報の提供について女性に有利な取扱いをすることなどを、これに当たる措置として挙げています。該当するかどうかは労働局に確認してください。

採用投稿で見直したい表現

次の表は、上記の考え方に沿って当サイトが整理した見直しの視点です。個々の表現が違反になるかの判断は、労働局に確認してください。

投稿でありがちな表現見直しの視点
「20代のメンバー募集」年齢を応募条件にしていないか。社員紹介で年代を伝える場合も、応募条件と混同されない書き方か
「女性スタッフ募集」「男性向きの力仕事」対象を一方の性に限定していないか。必要な体力や作業内容を具体的に書けているか
社員インタビューを一部の年代・性別だけで構成意図せず「この層しか採らない」と受け取られないか。複数の職種・立場の社員を紹介できているか
コメントへの返信で「若い方歓迎です」返信も求人情報の提供にあたりうる。返信テンプレートにも同じ基準を適用する

SNS広告のポリシーが求めること

採用投稿を広告として配信する場合は、各SNSの広告ポリシーも守る必要があります。

  • TikTok:反差別ポリシーで、広告商品を使って不当に人を差別すること、オーディエンス選択ツールで特定の集団を不当にターゲット・除外することを禁止しています。住宅・雇用・信用に関する特別なルール(HECポリシー)は、米国拠点の広告主と、米国・カナダの利用者を対象にする広告主に適用され、年齢・性別・郵便番号などでのターゲティングができません。
  • X:「反差別的なターゲティングに関するポリシー」で、ターゲティングツールを使って法的に守られるべき特定のカテゴリーに属する人々を不当に差別してはならないとしています。住宅・融資・信用貸しに関する広告ポリシーは米国とカナダでのみ適用されると明記されています。
  • Instagram・Facebook(Meta):Metaの広告規定には「差別的な行為」の項目があります。適用範囲や設定画面は、出稿前にMetaの透明性センターとビジネスヘルプセンターで確認してください。

日本向けの配信では米国・カナダ向けの特別カテゴリが自動で適用されない場合があります。その場合でも、日本の法令が募集・採用で年齢・性別による扱いの違いを制限している点は変わりません。広告のターゲット設定を年齢や性別で絞る場合は、その設定が募集の対象を限定することにならないか、労働局や専門家に確認してから配信してください。

相談先・申込先の選び方

年齢制限の例外に当たるかどうかはハローワーク・労働局、性別に関する表現は都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)が相談先です。広告運用を代理店に任せる場合は、ターゲティング設定の一覧を毎回共有してもらい、年齢・性別の設定を人事側でも確認できる体制にしておくと安心です。

参考にした公式情報

いずれも2026年10月12日に内容を確認しました。制度やサービス仕様は変わるため、実施前に最新のページをご確認ください。

この記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の募集内容が法令に沿っているかは、都道府県労働局・ハローワークなどの窓口や社会保険労務士・弁護士などの専門家にご確認ください。